エアーマットの選び方
エアーマットレスは空気の力で体圧を分散し、同じ部位に圧迫がかかるのを防ぎます。
マットの表面から空気を吹き出し、乾燥させるものもあります。
床ずれ発生時にはすばやい導入が必要となる場合があります。
しかし、長期間使用することにより、自分で寝返りなどができなくなったり、介護が困難になったりする場合もあるので、状況判断が大切となります。
床ずれの最大の原因である圧力に対して、もっとも効果的な予防方法は体位交換ですが、実際には昼夜問わず2時間に1階の体位交換を行うことは介護者のことを考えるとなかなか困難です。
ずれ予防具は圧力分散を考えて開発されていますので、使わない状態に比べて体位交換の回数を減らすことができます。
エアマットを使用すれば体位交換をしなくても良いと考えている人がいますが、エアマットは「圧力を分散する」のであって、圧力をなくすわけではありません。
介護用エアマットレスは、あくまで床ずれ予防をお手伝いするものなので、体位交換は必要です。
床ずれ予防具はタイプによって長所や短所がありますので、使用者にあったタイプを選びます。必要以上に効果のある物を使用すると動きにくくなったり、起きあがりにくくなったり、逆に寝心地が良くなることで起きてこなくなり、寝たきりなってしまうことがありますので注意が必要です。
どんな介護用エアマットレスを選んだらよいか?
エアセル独立型(筒上分離型)
エアセルの取り外しができるタイプは、一体型のエアーマットに比べて床ずれ発生率が2分の1程度になります。
破損した場合セルの取り外しをできるものが修理が容易です。
エアセル数は20本以上
幅の狭いエアセルが多いほどよいでしょう。
エアセル数が多いと船酔い症状はないといわれています。
エアセルに厚み(高さ)がある
エアセルの高さが低いと簡単に底づきして、それ以上圧力分散ができません。
十分な高さの物を選びましょう。
押し返してこないかどうか
空気や水の量が多すぎると押し返す力が強いということです。押し返す力が強いと逆に床ずれの危険性が大きくなります。
押し返してくる力を制御するために、体重によって空気圧調整ができるタイプがいいでしょう。
交互収縮または順次膨縮タイプ
受圧分散が図れます。
2連より3連の方が受圧面積が広くなり、より効果的でしょう。
耐久性のある材質
塩化ビニルを使ったものは、耐久性に乏しく破損しやすいので、ウレタンフィルムかポリマーフィルムなどを使ったものがよいでしょう。
エアーマットレスは、洗濯ができないので、汚れたときはこまめに拭き取ってください。
また、エアーマットレスの素材には吸湿性がないので、必ずベッドパッドをしいてください。
ベッドバッドだけでなく、薄い防水シールも肌ざわり・通気性を考慮し、必要に応じて組み合わせるとよいでしょう。
低圧保持ができる
エアポンプも低圧保持のできるようにコンピュータが入っているものは、管理が容易になります。
エアーポンプは静かかどうか
エアーポンプのモーター音は、本人ばかりか同室の方にも耳障りな物で気を遣います。
静かで耐久性のあるものを選びましょう。
エアー噴出型かどうか
全身の湿潤状態を防ぐためにエアーを噴出するエアーマットもありますが、創部の乾燥や、エアー噴出のためにマットの内圧を高くして低圧保持ができないなどの場合があります。
※床ずれが発生していない方が床ずれ防止に使用することには問題はありません。
エアーマットには上敷きタイプと交換タイプの二種類があります。
上敷きタイプは、マットレスの上に敷くタイプ
交換タイプは、マットレスと交換して敷く(マットレス不要)タイプとなります。